二十五番 久昌寺(きゅうしょうじ)
- 2016/6/21
- 更新日 2017/11/10
- 札所18番~34番
- 2262
岩谷山(いわやさん)久昌寺(きゅうしょうじ)
本尊 聖観世音菩薩
宗派 曹洞宗
ご真言 おん あろりきゃ そわか
御手判寺(おてはんじ)
ここは別名御手判寺。
「手判」とは判子の事。寺宝の石造りの御手判は、地獄に招かれた
性空上人が読経の礼として閻魔大王から賜ったというもの。
無事にあの世へいける通行手形だそうです。
縁起
二十二番に続きここにも悲しい寺の縁起がありました。
昔、奥野というところに女が住んでいました。
心の荒んだ女で、親類とも交わらず、父母にも疎まれ、身重の身でありながら
家を追い出され久那の岩屋に住み始めました。
その後も邪な心は変わらず、なんと荒川に投げ込まれてしまったのです。
しかし、一命をとりとめた女は山の奥に分け入り女の子を産みました。
その後は木の実や谷の水を糧にして暮らしていました。
時には村人に遭遇することもありましたが、自分が生きていることが知られたら
危害が加えられると思い、鬼のように振る舞っていました。
実際、幼い子供に出会うと心ならずも噛みついたりしたのです。
女の思いどおり、「鬼の棲む山」と噂され村人が寄り付くことはありませんでした。
女が死んだのは娘が15歳のとき。母の他に頼る人も知らない娘が悲しみに
泣き暮らしていると、花を手にした光輝く顔の女性が現われ、こう言いました。
「観世音に祈りなさい。そうすれば必ずあなたの母は救われます。」
また別のとき、こんな神のお告げがありました。
「これから一人の僧がやって来る。僧と一緒に麓へ行き村人に語ってここに
観音堂を建てなさい。」
すると、お告げのとおり旅の僧がやってきました。僧は娘を連れ山を下り、
村人にすべてを話して聞かせたのです。
やがて、村人や女の親類も協力し合って観音堂を完成させたそうです。
札所二十五番への行き方
◇西武鉄道「西武秩父駅」から西武バス「浦山常盤橋行き」乗車
「浦山常盤橋」下車 徒歩18分
西武鉄道「西武秩父駅」から西武バス「花見の里循環」乗車
「久那」下車 徒歩8分
秩父鉄道「浦山口駅」から徒歩26分
◇二十四番から徒歩42分(2.8km)
お問い合わせ
久昌寺(きゅうしょうじ)
埼玉県秩父市久那2215
0494-23-7309