秩父のお花を楽しむ金曜日「スイセン」花金ep.45
- 2018/4/13
- 更新日 2018/4/13
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秩父ミューズパークで、スイセンが見ごろを迎えていました。
一斉に開花している姿は圧巻です。
うぬぼれ
凛と立つ姿が美しいお花スイセン。
秩父を歩いていると、さまざまな所で出会うお花です。
スイセンの花言葉は「うぬぼれ」。
漢字にすると、自惚れる。
自らに惚れる。とても素敵な字に見えますが、
実際にはネガティブな意味で使われますね。
日本人は、自己肯定感の低い人が本当に多いです。
日本の美徳として、謙遜・謙虚があります。
自分が褒められた時に素直にありがとうと言える人が一体どの程度いるのでしょうか。
『私なんて、まだまだ…』
『大したことありません…』
このように自分を認めることはせずに、褒められたことをついつい否定してしまいませんか。
自惚れる、という言葉も、そんな日本人の性格が如実に表されているような気がします。
謙遜や謙虚が美徳とされるばかりか、
自分を蔑むことが良しとされるような風潮があります。
かく言う私も、自分を愛することが苦手な日本人のうちの一人ですが、
自分を正しく愛している人に出会い、接すると、本当に気持ちが良いです。
卑屈さがなく、さっぱりしていて、ポジティブな雰囲気をもっています。
私もこうなりたい、気持ちの良い人になりたい、といつも強く感じます。
それこそ、今の私たちに足らないのは健康的な自惚れなのではないでしょうか。
自己愛
スイセンの学名はナルシサス。
これは、ギリシャ神話に登場する、美少年ナルキッソスに由来します。
ナルキッソスはとても美しい少年で、多くの女性から愛されていました。
しかし、彼は言い寄る女性たちを高慢にあしらい、傷つけます。
そこで、女神のメネシスは、ナルキッソスに呪いをかけました。
自分自身しか愛せない呪いです。
呪われたナルキッソスは、水面に映る自分に恋焦がれ、食べることも水を飲むことも忘れ、
みるみる憔悴してしまいました。
そしてとうとう、彼は動かなくなってしまいました。
そこに、一輪のスイセンが咲いていたといいます。
スイセンが少しうつむいて咲くのは、
水面をのぞき込むナルキッソスの姿だといわれています。
そんな神話から、スイセンの花言葉は「自己愛」です。
スイセンについて
見ごろ :2月~4月
花言葉 :自惚れ・自己愛
撮影場所:秩父ミューズパーク
写真提供:岩間 秀朗