三十番 法雲寺(ほううんじ)
- 2016/6/21
- 更新日 2017/11/10
- 札所18番~34番
- 1952
瑞龍山(ずいりゅうさん)法雲寺(ほううんじ)
本尊 如意輪観世音菩薩
宗派 臨済宗建長寺派
ご真言 おん はんどめい しんだまに じんばら うん
二十九番からさらに山の方、山の方へと進んだ先にあるのが、
ここ法雲寺です。
非常に手入れの行き届いた境内が印象的です。
実際訪れたこの日も、暑い中草木の手入れをしていらっしゃいました。
毎日毎日お世話しなければこの美しさは維持できませんね。
縁起(出演者が世界史レベル)
このお寺が開創される前、尾張の熱田神宮の神官が夜通し礼拝していると
異国の美人が一面の鏡を捧げ、
「武蔵の国秩父の谷にこの鏡を奉納してください。その地は如意輪観音の霊場
なので後年必ずそのしるしがあります。そしてそのとき、この鏡は仏像の後光と
なるでしょう。」
と告げて消えました。
驚いて辺りを見回すと鏡があり、これを持って秩父谷へ行き一人の翁に渡しました。
それからしばらくの時が過ぎ、元応元年(1319)鎌倉建長寺の
道隠禅師(どういんぜんじ)が、玄宗皇帝が楊貴妃の冥福を祈るため自ら彫り、
不空三蔵に開眼させたという如意輪観音を、ここ秩父谷へ持ってきて本尊とすると、
翁が、昔受け取った鏡を出して事の成り行きを伝えました。
不思議に思った禅師は、「あなたは何者なのか」と尋ねました。
「私はこの谷に千年棲む悪龍でしたが観音を信じて善龍となりました。今こそ
天に昇るときです」
そう告げるやいなや、龍は風雨を起こして飛び去っていき、
後には骨が残されていたそうです。
寺宝
縁起に書かれている「楊貴妃の鑑」や「龍の骨」のほか、
この山から出土した「天狗の爪」なども寺宝となっています。
札所三十番への行き方
◇秩父鉄道「白久駅」から徒歩15分
◇二十九番から徒歩約1時間30分(6.7km)
お問い合わせ
法雲寺(ほううんじ)
埼玉県秩父市荒川白久432
0494-54-0108