秩父のお花を楽しむ金曜日「ロウバイ」花金ep.34
- 2018/1/19
- 更新日 2018/1/18
- 連載
- 2087
人工的に作られたかのような可愛らしいロウバイ。
秩父でも少しづつ咲き始めました。
先導
ロウバイの蕾がほころび始めています。
漢字では”蝋梅”と書きますが、この由来には
花びらの質感や形が蝋細工のようだから、
旧暦の12月(蝋月=現在の1月頃)に咲くから、など諸説あるようです。
ころんとした小さな可愛らしいお花は、
自然に作られたものとは思えないような整った美を感じます。
ロウバイはその香りの人気も高く、化粧品や香水などにも使われています。
ロウバイの花言葉は「先導」。
霜柱が持ち上げる土よりずっと下の土の中で、春に向けて粛々と準備を進める、まだ見ぬ命。
ロウバイの甘い香りが漂い始めたら、春はすぐそこ、の合図。
横目に見ていたお花屋さんで、お母さんの好きなお花を買ってみる。
いつもより丁寧に、髪をとかす。
どんな小さなことであっても、自分が素敵だと感じる方を選択しましょう。
きっと、その積み重ねが素敵な春に続きます。
ロウバイが春を先導するように、私たちは、自分にとって素敵な春を先導できるんです。
慈愛
ロウバイの花言葉には「慈愛」の言葉もあります。
ロウバイの香りには鎮静作用や精神安定の効果があるといわれています。
見た目の可愛さだけでなく、香りでも癒してくれるロウバイ。
何かをするでもなく、何かを言うでもなく、
ただ香りがするだけで、傍にいるというだけで心地よさを与えるってすごいことですよね。
私たちは便利な言葉をたくさん使って、愛も憎しみも伝えます。
それは時に感動を生み、時に怠惰を生みます。
『言ってくれなくちゃ、わからないよ。』
こんな台詞は日常的に耳にします。
私たちは、言われないと、わからないのです。
言わなくてもわかるでしょ、とは、自分で考えてよ、と同じ意味で使われます。
人間は考えることが得意なのに、言葉があると途端に考えることを怠けてしまいます。
言葉がすべてだと錯覚してしまいます。
言葉で作られた心地良さは、きっと存在の心地良さには勝てないでしょう。
本当に安心している時、言葉なんて必要ないと気づくからです。
そばにいてね、そばにいるよ、離れないでね、離れないよ、…。
心からリラックスしている時に、こんな言葉が要るでしょうか。
動物と接するとき、きっと心はフル稼働しているはずです。
撫でてほしいのかな、おなかすいたのかな、ねむたいのかな、どこか痛いのかな、…
言葉が役に立たないとわかっているから、一生懸命に考えますね。
たまには、言葉に頼らずに生活してみましょう。
あの人は何を見て、何を感じて、何を思っているのかな、と考えてみてください。
ロウバイのように、誰かを癒すことができる存在になれるかもしれません。
ロウバイについて
見ごろ :1月~2月
花言葉 :先導・慈愛
撮影場所:宝登山
写真提供:岩間 秀朗