秩父のお花を楽しむ金曜日「リコリス 白」花金ep.16
- 2017/9/1
- 更新日 2017/8/31
- 連載
- 2518
リコリスは、和名で彼岸花と呼ばれます。
今回は、秩父でもうじき見ごろを迎えるリコリスの
花言葉についてお話します。
秋彼岸に思い出すお花
秋のはじめ頃に見かけるお花、リコリス。
リコリスは和名で彼岸花と呼ばれています。
この彼岸花の由来は、秋彼岸の頃に開花する、というほかに、
「食べたら彼岸(=死)しかない」という説もあります。
リコリスの球根はお薬にしたり、食べたりできるものですが、きちんと解毒しなければなりません。
解毒せず口にすると、嘔吐や下痢の症状がでたり、最悪の場合は死に至ることも。
毒は経口摂取した場合に表れるので、実際に触れることは危険ではありません。
リコリスの毒は、昔から生活の中で活かされてきました。
田んぼやお墓を荒らすネズミやモグラ除けとして植えられることも多かったといいます。
お墓や田んぼでリコリスを目にすることが多いのも納得ですね。
リコリスの一般的な花言葉は「悲しい思い出」。
秋彼岸の頃に咲くこと、お墓のそばに植えられることが関係しているようです。
悲しい思い出といえど、思い出。
忘れ去ることなく、心にとどめているということ。
本当に悲しいことは、思い出にもならないことだとは思いませんか。
人と違うのも、生きるため
白いリコリスの花言葉は
「思うはあなた一人」。
リコリスは葉をつける時には花が咲かず、開花する時には葉をつけません。
このことから、”葉見ず花見ず”とも呼ばれます。
葉と花が互いを想っているように見えることからつけられた花言葉でしょうか。
決して会うことのない葉と花。
多くの植物が、葉と花が混在していることからも
より一層寂しそうにうつります。
しかし、リコリスはそうすることで強く生きています。
原産の中国の種子で増えるリコリスは、
開花する植物の少ない秋に花をつけることで昆虫たちを独占し、
草木の少ない冬場に葉を伸ばし光合成をおこないます。
他の草木が芽吹く春には休眠期となり、
多くの植物が生い茂る夏には球根の中にとどまり開花の準備をします。
もし、今あなたが”みんなと違うから”不安になっていることがあるとしたら。
それはとてもつまらないことです。
あなたが心ときめく何かのために、誰かのために、
一生懸命向かっているのだとしたら、それはあなたが生きるために必要なことです。
みんなと同じであることは重要ではありません。
あなたが、あなたらしく、あなたを生きることが大切なんです。
少し寂しそうに見えるリコリスですが、
その姿はエキゾチックで、強さと美しさが光ります。
あなたの心にもリコリスが芽吹きますよう。
リコリスについて
見ごろ :9月~10月
花言葉 :悲しい思い出・思うはあなた一人
撮影場所:寺坂棚田
写真提供:岩間 秀朗