秩父のお花を楽しむ金曜日「サルスベリ」花金ep.13
- 2017/8/11
- 更新日 2017/8/11
- 連載
- 1981
真夏の炎天下でも堂々と咲き誇るお花、サルスベリ。
秩父でも見ごろを迎えていますよ。
猿も木から落ちる?
サルスベリという名前は、ツルツルとした滑らかな樹皮に由来していることは有名ですね。
漢字では”猿滑”と書きます。
しかし実際には、お猿さんは滑ることなく
スイスイーっと簡単に登ってしまうのだそうですよ。
また、サルスベリは”百日紅”とも書きます。
これは、単にお花が100日間も咲き続けることに由来するのだそう。
元禄時代の園芸書には、紅花が100日間咲くという説明がされていたといいます。
サルスベリの花は枝先に多く咲くので、
一度花が落ちてしまっても、次々と新しいお花が咲いているから
ずっと咲き続けているように見えるのかもしれませんね。
サルスベリの花言葉は「雄弁」。
風に揺れるお花が、まるでおしゃべりをしているように見えることからつけられました。
あなたを信じる
サルスベリの原産国である中国には、こんな逸話が残されています。
ある海岸の漁村では、水難を防ぐため、竜神に若くて美しい少女を生贄にささげる風習がありました。
その漁村に偶然訪れた旅の途中の王子は、竜神を成敗し、少女を生贄の儀式から救いました。
二人は自然と惹かれあい、愛するようになりましたが、
王子は旅を途中でやめるわけにはいきませんでした。
そこで、少女は王子の旅が終わるまで待つことを約束します。
王子の旅が終わるのは100日後。
少女は来る日も来る日も王子を待ち続けました。
しかし恋焦がれるあまり、約束の100日を目前に少女は亡くなってしまいます。
旅を終えた王子が漁村に戻ると、事実を知り嘆き悲しみます。
ところが。
少女を弔い埋葬すると、なんとその場から美しい木が育ったのだそうです。
美しい木からは美しい赤色の花が咲き、
これは王子を待っていた少女の化身だろうと思われたので、
この木を”百日紅”と呼ぶことになったのだといいます。
そして”百日紅”は、まるで王子との約束を果たすかのように
100日もの間咲き続けたのだとか。
そのことから、サルスベリの花言葉の中には
「あなたを信じる」「愛敬」という素敵な言葉があります。
ちょっぴり悲しいような、ロマンチックのような、不思議なエピソードですね。
サルスベリについて
見ごろ :7月~10月
花言葉 :雄弁・あなたを信じる・愛敬
撮影場所:秩父ミューズパーク
写真提供:岩間 秀朗