秩父のお花を楽しむ金曜日「シクラメン」花金ep.30

  • 2017/12/8
  • 更新日 2017/12/7
  • 1996

シクラメンをご家庭で育てている方も多いのでは?
花言葉を知ると、もうちょっと楽しめるかもしれません。

遠慮

冬の代表的なお花であるシクラメン。
11月から3月までの、寒く寂しい時期に咲いてくれるお花です。
お歳暮にも使われるほどの人気のお花ですね。

シクラメン全般の花言葉は「遠慮」。

原産国のイスラエルやトルコでは、自生した小さなシクラメンが
岩の間に咲いていることも珍しくないといいます。
このような品種改良をしていないシクラメンは、少しうつむき加減で咲きます。

その花姿から、シクラメンには遠慮の花言葉がつけられました。

はにかみ

桃色のシクラメンの花言葉は「はにかみ」。
こちらも、花の咲く様子からつけられたといわれています。

”大人”と呼ばれる年齢になってから、照れや恥じらいを隠すようになっていませんか。

私たちは知らないこと、間違えることを恥ずかしいと感じます。

大人の世界の当たり前、社会人の常識といわれるアレコレ。
「知らなかった、では済まされない。」なんて、
甘えん坊な私にとっては恐ろしい言葉も良く耳にします。
知らないことや間違えたことを、笑って許してくれる”大人”は本当に少ないですね。

知らないことや間違いは悪とされ、それを犯した時には恥ずかしい感情と一緒に、
怒られて悲しいという感情が生まれることが多いです。

なので、なるべく恥ずかしい思いをしたくないと考えるようになります。

自分の間違いを認めるのが苦手なあのひとや、自分が間違えたのに怒っているあの人は、
恥ずかしさを押し殺しているのかもしれませんね。

怒られるというマイナスな考えがあれば、素直にはにかむことは難しくなってしまいます。

シクラメンのお花を眺めながら、
どうか私は大切な人がはにかめる存在でありますように、と思っています。

内気

シクラメンは”ソロモンの冠”という異名を持っていますが、
花言葉には「内気」という言葉もあります。

一見相反するように見える言葉ですが、この言葉にまつわる伝説を聞けばうなずけます。
中でも有名な1つの説をご紹介します。

昔、イスラエルに偉大な王ソロモンがありました。
ソロモン王は聡明で、人間以外の言葉も理解することができたので、
動物や植物とも会話することができました。

ある日、冠職人たちがソロモン王に立派な冠を紹介しましたが、
王はどの冠にしようか決めかねていました。彼には皆同じに見えてしまったのです。

そこで、大地の花々は「花冠にしたらいいわ」と各々自らを売り込みます。
赤色、黄色、華やかな姿、多くの花が自分を選んでと頼みましたが、
やはり王の心に響くものはありませんでした。

そんな中、ソロモン王は岩陰に咲く桃色のシクラメンを見つけます。
シクラメンは小さくお辞儀をし、その姿が王の心を揺さぶります。
「私にお前の健気さを加えさせてくれないか」と声をかけ、王冠の形としました。

ソロモン王は、後にその名を国外にまでとどろかせるようになりましたが、謙虚で有り続けたといいます。

誰かの内気な可愛らしさや美しさを見逃さずにいるためには、大きな声や見た目に惑わされないこと。
自分の心が惹かれるものに素直になることが大切ですね。

シクラメンについて

見ごろ :11月~3月
花言葉 :遠慮・はにかみ・内気
写真提供:岩間 秀朗

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