秩父のお花を楽しむ金曜日「福寿草」花金ep.36
- 2018/2/9
- 更新日 2018/2/15
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縁起の良いお花、福寿草。
秩父でも蕾が膨らんできています。
幸せを招く
まだ雪の残る秩父ですが、福寿草が芽吹いています。
優しく花びらを開かせている様は、神々しくもあります。
立春を迎え、これからまさに春が始まろうとしています。
気温はまだまだ低いですが、太陽の暖かい穏やかな日中には、春の匂いも感じるようになりましたね。
福寿草の花言葉は「幸せを招く」「永久の幸福」。
和名である”福寿草”とは、幸福と長寿を意味しています。
福寿草は別名”元日草”とも呼ばれ、新春を祝う縁起の良いお花です。
福寿草は旧暦の正月頃(現在の2月中旬)に咲くことが由来とされています。
幸せを招くために、必要なことは?
私たちはいつでも幸せに生きたいと願い、無意識に自分の幸せを選択しています。
満腹であることが幸せだと感じるなら、おなかいっぱい食べるし、
草花の世話をすることが幸せなら、窓辺や庭で育てるでしょう。
しかし、実際はそんなに単純ではありませんね。
美味しいものをおなかいっぱい食べていても、締め切りの近い仕事を思い出してしまったら。
お花に水をあげていても、虫が苦手なお隣さんに文句を言われたら。
ちょっとだけ、幸せがしぼんでしまいませんか。
こんなお話があります。
アメリカの大学の教授は、なんと10年間も、人々に「幸せですか」と問い続けたそうです。
さらに驚きなのは、どちらを答えた人も10年後に同じ答えを返したということです。
今幸せだと感じている人は10年後も幸せだと感じているし、
今幸せではないと感じている人は10年後も幸せではないと感じていることがわかったのです。
進学や就職、結婚などのライフイベントはほとんど影響しなかったそうです。
希望の大学へ進学したから、有名企業に就職したから、結婚したから、幸せとは限らないということです。
つまり、幸せとは、カタチではないのです。
では、もう一度。
幸せを招くために、必要なことは?
誰でも知っていること。でも、とても難しいこと。
目を向けるポイントに注意するんです。
物事のポジティブな面に注目します。
これは、人に言うのは簡単です。問題は自分自身のことです。
幸せは待っていても来ません。自分から引き寄せるものだからです。
幸せを招くために、ちょっと前向きに歩いてみませんか。
悲しき思い出
縁起の良い花言葉の多い福寿草ですが、中にはこんな花言葉もあります。
「悲しき思い出」。
これは、ギリシャ神話に由来します。
美少年のアドニスは、その美しさから、愛と美の女神アフロディーテに愛されていました。
ある日、狩りに出かけたアドニスは猪に突かれて死んでしまいます。
その猪は、アフロディーテの愛人であった戦いの神アレスだといわれています。
また、アレスをそそのかしたのは、アドニスを溺愛していた(=アフロディーテの恋敵)という
冥界の女神ベルセポネだったという説があります。
アフロディーテが駆け付けると、その時にはもうアドニスは息絶えていました。
美しいアドニスは、神々の嫉妬によって殺されてしまったのです。
そして、アドニスから流れる血から、真っ赤な花が咲いていましたので、
その様子から、その赤い花をアドニスと名付けたといわれています。
福寿草の属名はアドニス。
また、日本でなじみのある山吹色の福寿草とは違い、福寿草は本来赤色だったといわれています。
福寿草について
見ごろ :1月~3月
花言葉 :幸せを招く・永久の幸福・悲しき思い出
撮影場所:宝登山
写真提供:岩間 秀朗