秩父のお花を楽しむ金曜日「パンジー」花金ep.38
- 2018/2/23
- 更新日 2018/2/22
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パンジーとビオラのお花はとっても似ていますが、お花が大きい方がパンジーなんですよ。
今回はパンジーについてお話します。
私を想って
花びらの模様から、その名がつけられたというパンジー。
花の形や模様が、まるで物思いにふけっているように見えるので、
フランス語で”思想”を意味するパンセという言葉から、パンジーと名付けられたといいます。
私たちも日常でよく目にするパンジーですが、
シェイクスピアの初期の喜劇代表作、”真夏の夜の夢”の中にもパンジーが使われているんです。
作品の中では、パンジーのお花のエキスを眠っている人のまぶたに塗ると、
その人が目覚めた時に、最初に目にした人を好きになってしまう惚れ薬として登場します。
ロマンチックを醸すパンジーの花言葉は「私を想って」。
日本でもイベントとして定着しているバレンタインですが、その由来には、悲しいお話があります。
3世紀のローマでは、若者の結婚は禁止されていました。
若者は戦へ行かねばならず、その時に恋人や家族があれば、それが足かせとなり十分に働けないと考えられていたからです。
戦争では国のためだけに戦い、命を投げうってでも、勝利を手にすることができるようにと、
若者の結婚は固く禁じられていたのです。
そんな中、愛し合う若者を不憫に思い立ち上がったのが聖バレンタインという一人のキリスト教徒です。
バレンタインは、愛し合う若者を密に結婚させたのです。
それが皇帝に見つかり、バレンタインは処刑されることとなります。
処刑は2月14日に行われました。
聖バレンタインは投獄されたとき、牢獄の窓辺に咲くパンジーを見つけます。
このパンジーのハート型の葉に、私を忘れないで、というメッセージを付けて鳩に託したといわれています。
ヨーロッパでは、パンジーはバレンタインのシンボルとされ、
バレンタインに恋人に贈るお花はパンジーが一般的なのだそうです。
このようなエピソードも、パンジーの花言葉に影響しているのかもしれません。
思慮深い
紫色のパンジーの花言葉は「思慮深い」。
こちらも見た目の様子が由来するようです。
考えているフリは簡単にできます。
でも、それはとても危険なこと。
優しいフリでれば、例え気持ちは嘘であっても、優しさは事実です。
あの子に良いトコロを見せようと、あの子の見ているタイミングでゴミを拾ったとして、
ゴミがなくなることは事実として現実に残るのです。
ところが、考えているフリでは何ひとつ残らないんです。
本当に考えていたって、考えには形がないんだから、同じじゃないかと聞こえてきそうですが、
考えは、そのものは目に見えなくても、言葉や行動になって現れます。
だからこそ、考えているフリは恐ろしいのです。
ポーズだけでは何も得られません。
私たちの人生は、何も生まない時間を消費できるほど余裕のあるものではありませんよね。
時間とは、湯水のごとく湧き出るものではなく、消費していくものなのです。
日常的によく目にするパンジーですが、見かける度に、
今の私はポーズではないか?時間を浪費していないか?
考えてみるのもいいかもしれません。
パンジーについて
見ごろ :12月~5月
花言葉 :私を想って・思慮深い
撮影場所:秩父ミューズパーク
写真提供:岩間 秀朗