秩父のお花を楽しむ金曜日「梅」花金ep.42
- 2018/3/23
- 更新日 2019/3/29
- 連載
- 1995
先日の雪にも負けず、梅の花が開いています。
春らしい写真と共に素敵な花言葉をご紹介します。
高潔
梅のもつ花言葉は「高潔」。
かの有名なアリストテレスは、『高潔な人は他人に施すことを好むが、施されることを嫌う』と説いています。
さらに、人々に恩恵を施す者は他人より愛されるよりも多く、自分を愛する。という言葉も残しています。
つまり、高潔な人とは人のために動くことを好み、また、
人のために動くためには、自分を愛することが必要だということです。
日本中に愛される桜ほどの派手さはありませんが、
凛と咲き誇るその姿には気高さを感じますね。そんな梅に最適な花言葉です。
忠実
平安時代に生きた藤原道真という人をご存知ですか。
彼の詠んだ、梅に関する和歌をご紹介します。
藤原道真は、幼少の頃から学問の才能があり、神童と称されるほどのものでした。
なんと5歳にして和歌を詠むことができたというのだから驚きです。
この和歌も、梅に関するものであったといわれています。
彼は、幼い頃から梅の花を愛していたのですね。
また、勉学だけではなく、弓を100発100中させるほどの腕前であったので、
文武でその名を馳せ、とんでもないスピードで次々に要職へと就いていきます。
讃岐国の長官として働いていたころ、善政を行うことで住民に慕われながら実績を積んでいきました。
それが宇多天皇に認められ、京都に戻ってからは、ますます政治の中心で活躍していきました。
右大臣として誠実に働いていた最中、突然、大きな波乱に巻き込まれてしまいます。
左大臣の藤原時平の政略により、道真は大宰府に左遷されてしまうのです。
身に覚えのない罪を問われ、家族とも十分な別れを許されませんでした。
その時、自宅の梅へと別れの歌を詠みました。
東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花
あるじなしとて 春な忘れそ
春風が吹いたら、芳しい梅の香りを風にのせて届けておくれ、梅の花よ。
私がいなくなっても、春を忘れてはならないぞ、という意味です。
大宰府天満宮の、本殿の右側にある梅は”飛梅”と呼ばれています。
この梅は道真を慕い、京都から大宰府までの間を一夜のうちに飛んできたという伝説が残されています。
梅のもうひとつの花言葉は「忠実」です。
梅について
見ごろ :1月~3月
花言葉 :高潔・忠実
撮影場所:秩父ミューズパーク
写真提供:岩間 秀朗