秩父のお花を楽しむ金曜日「カタクリ」花金ep.44
- 2018/4/6
- 更新日 2018/4/5
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素敵な季節がやってきました。
今回は、カタクリのお花をご紹介します。
初恋
春ですね。
お花も木々も洋服もメイクも、パステルカラーに染まっていきます。
世界に淡く優しい色が滲んでいき、明るく柔らかい光のように広がっていきます。
私は、1年の中で、春が1番好きです。
すべてが始まり、命が躍動し、エネルギッシュで神秘的な春。
私が大好きな春に可愛らしいお花を咲かせてくれるのがカタクリです。
カタクリの花言葉は「初恋」。
カタクリの咲く姿は、少しうつむいているように見えるので、
自分の気持ちをうまく伝えられず、
恥じらっている様子と似ていることからつけられたといいます。
あなたが好き、愛している、そう伝えることをためらうのは何故でしょう。
自分の気持ちを伝えることが怖い?
自分の気持ちを知られてしまうのが怖い?
幼い頃、気持ちを伝えることに必死になっていたことを覚えていますか。
上手く言えなくて、でもどうしてもわかってほしくて
泣いたり怒ったりしながら、必死になっていたことを覚えていますか。
素直な気持ちをすべて伝えることが正しいとも限りませんが、
ポジティブな感情は、心にとどめずに言葉にして多くの人に伝えたほうがいいでしょう。
好き、楽しい、ありがとう、愛してる、嬉しい。
感情は言葉にすると浸透していくように感じます。
好き、と言えばもっと好きになったり
楽しい、と言えば誰かも笑ってくれたり。
自分の言葉で、自分の気持ちが伝わってしまう。
だから言葉にするのが恐ろしい、なんて
ちょっと贅沢な悩みなのかもしれませんね。
寂しさに耐える
カタクリは、種が地中に潜ってから、
平均して8年間も土の中で過ごすのだそうです。
そして、3月から4月の木々が生い茂る前までの短い間に、
わずかな日光を浴びて、そっと咲きます。
するとまた、暗い地面に10ヵ月間も隠れて、次の春を待ちます。
多くの時間を地下で過ごすことから、カタクリは
「寂しさに耐える」という花言葉ももちます。
寂しさに耐えるには、常に自分に集中していなければなりません。
何かに、誰かに求めるのではなく、自分で自分を満足させることが必要だからです。
寂しさの根源は、虚無感です。
自分を満たし、感動させることができれば、寂しさに潰されてしまうことはありません。
特に、甘い誘惑の匂うときには注意しましょう。
私の寂しさは、この人が埋められるようなものではない。
もっと言えば、私の寂しさは私のもの。
誰かにゆだねたり、まかせたり、押し付けたり、
そんな無責任なことをしてはいけない。
寂しさに惑わされて自分を傷つけてしまわないように、
自分を満たす術を身につけましょう。
寂しさに我を忘れてしまっているあなたも、
カタクリのお花を見つめると、冷静に考えられるようになるかもしれませんよ。
カタクリについて
見ごろ :3月~4月
花言葉 :初恋・寂しさに耐える
撮影場所:秩父ミューズパーク
写真提供:岩間 秀朗