秩父札所巡り 観音様、お地蔵様に救いを求めるプチトリップ
- 2016/6/7
- 更新日 2020/5/8
- 札所巡礼
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突然ですが、観音さまってどんな方?
観音、菩薩、観世音菩薩、観自在菩薩、いろいろな呼び方がありますが、
観音さまとは「世の中の人々の音や声を観じて、その苦悩から救い出してくれる方」
のことです。その人を救うためにふさわしい姿、三十三の姿に変化して現れるといいます。
仏や如来が「悟りを得た方」なのに対し、観音は、仏の次の位にあり、悟りを求め、
世の人々を救うために修行に励む人、いずれ仏になる人を意味します。
では、お地蔵さまは?
親しみを込めて「お地蔵さん」、「お地蔵さま」と呼んでいますが、お地蔵さまも
正式な呼び名は「地蔵菩薩」です。
頭を丸めお坊さんのようないで立ちですが、お地蔵さまも世の人々を救うために修行を
続けているんです。
秩父札所は、ご本尊に観世音菩薩をお祀りしており、お地蔵さまもたくさん祀られています。
プチ・トリップ
札所巡礼が盛んだった江戸時代、江戸から秩父への巡礼はちょっとした旅行気分で
行われていたようです。関所を通る煩雑さもなく、全行程約100km、というのも
気軽に行われた理由なのでしょう。
それは、西国約1,000km、坂東約1,300kmと比較しても明らかです。
西国、坂東に比べ、女性の巡礼者が多かったのも納得です。
観音さまに救いを求めるという大きな目的の他に、札所周辺の名所・旧跡を巡ったり、
ご当地グルメを食したりと、非日常を楽しんでいたと思われます。
番付変更?
江戸からの巡礼者が多くなるにつれ、大きな変化も生まれました。
札所番付です。
室町時代には成立していたといわれる秩父札所ですが、札所の番付は
当時と現在とでは大きく異なっています。その理由として有力なのが、江戸からの
巡礼者の交通の便に配慮したというものです。
当時の秩父地域の経済は江戸からの巡礼者に支えられていたのです。
事実、江戸の商人から寄進されたお堂や観音像が数多く残っています。
その始まりは文暦元年(1234)といわれる秩父札所。
あれから800年足らずの歳月を経た現在も、私たちの悩みを救うべく、
観音さま、お地蔵さまが待っています。
参詣のマナーさえ守れば、札所巡りに厳しいルールはありません。
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江戸の人たちが歩いた古道を歩いてもよし、車で回ったっていいんです。
道中秩父の美味しいものを食べながら、あちこち寄り道しながら、
札所巡りしてみませんか。
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